Mgen+ (ムゲンプラス)
Mgen+ (ムゲンプラス) は、フリーフォントである「M+ OUTLINE FONTS」をベースに、これに含まれない漢字・記号のグリフを「源ノ角ゴシック (Noto Sans CJK / Source Han Sans の日本語部分」で補うことで、さらに豊富な漢字や記号を使えるようにした合成フォントです。
目次
フォントの概要
美しさと自由さを兼ね備えた「M+ OUTLINE FONTS」は制作開始から10年が経過し、JIS第一水準すべてと、JIS第二水準の約半数の漢字が完成しています。すでに単体で常用に耐えうる完成度まで達しており、最近では個人の利用にとどまらず、著名な企業のパッケージやプロモーション媒体などでも M+ の書体を目にするようになりました。
しかしそれでも、地名などの固有名詞や、難しい熟語などで、ごくまれに未収録の漢字に当たることはあります。特に、コンピュータソフトウェアや情報端末に表示用フォントとして組み込み、任意の文字を表示させる用途を想定する場合は、対策が必要となります。
M+ の制作開始初期より、足りなかった漢字は、IPAゴシックで補う手法が主流でした。これによって作成された合成フォントは非常に利便性の高いものですが、 IPAゴシックはウェイト (文字の太さ) が1種類のみであること、および再配布におけるライセンス (特にソフトウェアなどに組み込む場合) に制約があることから、M+ の利点を 100% 活かしきれているとまではいえない状況でした。
そこで、Adobe から新たにリリースされたオープンなフォントである「源ノ角ゴシック」で漢字を補った合成フォントを作成しました。M+ の最大の特徴である美しいモダンゴシックデザインや 7 つのウェイトなどの利点を保ったまま、JIS X 0213:2004 に準拠した豊富な漢字を、オープンな SIL オープンフォントライセンス 1.1 のもとに利用することができます。多くの仕様は M+ の原版を保っており、同じ使用感で使うことができます。
M+ OUTLINE FONTS との違い
- M+ に含まれない漢字や記号を、同等の太さになるよう改変を加えた「源ノ角ゴシック」で補い、JIS X 0213:2004 相当の収録字数になりました。
- JIS2004 で変更が加えられた字体が標準になりました。対応したソフトでは、JIS90 の字体に切り替えることができます。
- ひらがな・カタカナや一部全角記号をプロポーショナル幅にしたファミリー (1cp / 1pp / 2cp / 2pp) を追加しました。
- 源ノ角ゴシックにあわせて、ライセンスが SIL Open Font License 1.1 になりました。オープンなライセンスで、商用・非商用問わず、使用用途に制限はなく自由にご使用頂けますが、フォントファイルの再配布の際などに、一部条件があります。
Mgen+ | M+ OUTLINE FONTS | |
---|---|---|
M+ OUTLINE FONTS + 源ノ角ゴシック | ベース | - |
約14000文字以上 (JIS第1~4水準すべてを含む) |
収録漢字数 | 約4870字 (JIS第1水準すべて+第2水準の約半数) |
1ファイルあたり約 4.5~5.2 MB | ファイルサイズ | 1ファイルあたり約 1.5~1.7 MB |
JIS2004 字形 (アプリにより JIS90 字形に切り替え可能) |
標準の字形 | JIS90 字形 (アプリにより JIS2004 字形に切り替え可能) |
SIL Open Font License 1.1 | ライセンス | M+ FONT LICENSE |
各フォントファミリーの違いについて
ダウンロードしたアーカイブファイルの中には多くのフォントファイルがありますが、ほんのわずかな違いしかないものもあります。よくわからない場合は、まずは「mgenplus-1c」から始まるフォントのみ、インストールして使い始めてみてください。具体的な違いが分かり、使い分けが可能になった場合は、目的に合わせて適宜取捨選択してみてください。
「1c」「2p」などの違いについて
「1」と「2」では、かな文字のデザイン、漢字のサイズ (「2」は「1」の 98%) が異なります。英数字も、一部文字が、それぞれのかなにあわせたデザインになっています。
- 1 ... 直線処理と柔らかな曲線の対比が特徴的
- 2 ... 従来的なゴシック体の雰囲気を残しつつ現代的な表情も併せ持つ
「p」「c」「m」「mn」では、英数字の形状が異なります (日本語部分の形状の違いはありません)。
- p ... 明るく伸びやかなデザインを心がけた
- c ... 文字組みの時のまとまりの良さを意識して再設計された
- m ... 等幅。識別性を重視しつつ素直な字形を目指した
- mn ... 等幅。コーディングのための新しいデザイン性を意識した (1 のみ)
「pp」「cp」は、「p」「c」のひらがな、全角英数字、一部記号 (約物) などの文字幅を、「MS Pゴシック」のようにプロポーショナル (文字の形に合わせて可変) にしたものです。
ライセンスと著作権について
- Mgen+ は、M+ OUTLINE FONTS にないグリフを源ノ角ゴシックで補ったフォントです。
- フォントデータに含まれる、源ノ角ゴシック由来の文字グリフの著作権は Adobe が所有しています。
- フォントデータに含まれる、M+ OUTLINE FONTS 由来の文字グリフの著作権は M+ FONTS PROJECT が所有しています。
- Megn+ のフォントファイルは、源ノ角ゴシックと同じ SIL Open Font License 1.1 のもとで使用することができますので、商用利用などにおいても特に制約なくお使い頂けます。詳しくはフォントのライセンスのページをご覧ください。
- ただし、使用や埋め込み・改変を行った結果、使用したのが M+ OUTLINE FONTS 由来の文字グリフのみだった場合は、 より要件が少ない M+ FONT LICENSE を適用することができます。
ダウンロード
7-zip, または zip の圧縮形式が選べますが、どちらをダウンロードしても中身は同じです。OSDN.JP の日本ミラーサイトからダウンロードしますが、もしうまくいかない場合は ミラーサイト (OneDrive) または ミラーサイト2 (Googleドライブ) からのダウンロードをお試しください。
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解凍には 7-zip 形式に対応した解凍ソフト (Windows は 7-zip、LhaForge、Lhaz、CubeICE、ExpLzh (個人利用のみ無償) など、Mac OS X は The Unarchiver、Keka など) が必要ですが、ダウンロードサイズが大幅に小さくて済みます。
zip 形式でダウンロード
ほとんどの環境で何もソフトを入れずに解凍することができますが、圧縮率が高くないのでダウンロードサイズがとても大きく、複数個に小分けしています。
- mgenplus-1-20150602.zip (42.9 MB)
- mgenplus-1m-20150602.zip (29.6 MB)
- mgenplus-1p-20150602.zip (42.8 MB)
- mgenplus-2-20150602.zip (42.4 MB)
- mgenplus-2m-20150602.zip (14.7 MB)
- mgenplus-2p-20150602.zip (42.7 MB)